えむえすぷらす

ドント・ウォーリーのえむえすぷらすのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
5.0
講演会、依存症の会、街中での車椅子の転倒から語られ始める主人公の半生はアルコールで人生を破滅させた。そこから強烈なねじれを含んだ風刺漫画を描くようになり依存症の会のリーダーや恋人の助けを得て立ち直っていく。

複数の異なる日時、場所で語るキャラハン。そこから過去の物語が語られいかにしてアルコール依存症となり四肢麻痺に至ったか、そこからどのように風刺漫画の道を切り開いたか描かれてそして最後に起点の講演などが終わって物語が閉じられていく。

最初混乱しますが少しずつ情報のピースが揃って全体が見えてくる。それにしてもジョンの風刺漫画は男性誌に特定の属性の女性を恐れる男性を描き、女性差別とも取れるけど実は当の男性誌読者である男性は一番痛撃されているとか皮肉が強く勘違いされやすかった様子が出てきて興味深い。

依存症は薬物にしろアルコールにしろ病気の一種です。本人の意思を超えてくるようになるので治ったように見えても再発する事はある。この主人公の場合、幼少期に逃避したくなる体験がありそれがアルコール依存症に結び付いた。自業自得だという批判、じゃあ彼はどうして風刺漫画家になれたのか。その自業自得から得たものもあった。人は負けて立ち直れない人もいればその中で立ち上がる人もいる。みんながみんあ強い訳じゃない。強者の論理で自業自得を言うまえに主人公の理解を本当にしてるのか疑問を持った方が良い。全て共感する必要はない。でも理解する努力を捨ててはならない。