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ドント・ウォーリーのKKのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
3.6
酒を飲んで交通事故。
運転手はかすり傷、助手席に乗っていたジョン・キャラハンは半身不随。

この物語は、ジョン・キャラハンの苦悩と許しの物語。
あの日、酒を飲んだ友人に車を運転させた自分、アルコール依存症になっていた自分。
グループセッションで出会ったドニーの助けを借りて、自分の周りの人、そして自分を許していく。
1番印象的だったのは、一緒に酒を飲み、交通事故を起こした友人、デクスターの所に行ったシーン。
事故を起こしたデクスターも苦しんでいた。自分だけ助かった罪悪感と、その後もジョンの元へ行かなかった後ろめたさ。一生付きまとうものかもしれなかった。
そんな時に、ジョンの方から出向き、「僕は今幸せだよ」と言った時には自分が許されたような気分になった。デクスターにとって、最も必要で、最も救われた一言だったと思う。
ジョンは自分の行動で、自分だけでなく他の人の人生まで救うことが出来た。


交通事故がなく、あのまま酒浸りの生活を続けていたら、ジョンはどんな人間になっていたのだろう。半身不随になったことが、彼にとっていい事だったとは到底思えないが、それによって彼が変われた事もまた事実である。
人の人生なんて、どうなるかは誰も分からない。今を必死に生きるしかないのかもしれない。

ホアキン・フェニックスの演技も、JOKERと同一人物とは思えない、だけどもどこか共通点のあるような、流石の名演技。
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