なぜブレードランナーがカルトになったのか。なぜ5つもバージョンができたのか。それが分かるが今作の制作ドキュメンタリー。デンジャラス・デイズとは当初予定されていたブレードランナーのタイトルである。
脚本の追加から配役の起用、そして完成するまでの長く辛い道のりが描かれている。ほとんどファンしか観ないような濃い内容である笑
リドリー・スコット、デューンを監督する予定だったがデューンが頓挫したため選ばれたことや、ハリソン・フォードが演じたデッカードが当初ダスティン・ホフマンだった事とか。
オリジナル版にあったようなナレーションが脚本段階ではかなり多かったらしく、行動という映画らしいものに変更したのがハリソンだったりするところとか。
最初にレプリカントを面接するあの人は、当初、他の俳優のスクリーンテストのハリソン役だったこととか。それが良くて面接官のシーンが作られたとか。よかったなぁ笑
一番びっくりしたのは5人目のレプリカントがちゃんと用意されており、配役も決まっていたこと。じゃあなんでカットされたかというと、脚本家のストが起きて決められなかったから。おいおいこんなことあるんかい笑
続編のブレードランナー2049がニヤリ出来るのも今作を観ると分かる。実は冒頭のある人物を訪ねるシーンがまんまブレードランナー1の最初のシーンの予定だったのだ。あらまあ笑
観ていて一番伝わってきたのが、製作の大変さ。監督がかなり凝るから、自分の認めたショットを作るためにテイクを繰り返す。それが重なればお金も時間もかかる。
時間がかかるからスタッフと監督の溝が深くなる。お金がないから時間もかけられない。なんという悪循環。
予算がないから工夫しなきゃいけないんだけど、ワン・フロム・ザ・ハートや未知との遭遇から美術を拝借したりしてる笑
でもそれだけの難産だったおかげか興行収入はなくても、その深い作品性に感化された監督は多かったようである。
突然、フランク・ダラボンやギレルモ・デル・トロらがこの作品がいかに素晴らしいか褒め殺しする笑
デル・トロ監督なんかいつものオタクキラキラフェイスで語る。笑
作品には関係ないけどトニー・スコットが出ていた。兄のことを語っていた。
勝手に涙腺が緩くなった。やっぱりあんた、生きてて欲しかったよ…わがままだけど…
ブレードランナーを好きになった人には是非オススメの作品である。