このレビューはネタバレを含みます
お点前は同じ動作の繰り返しだけれど、一日として同じ日はないのだと、そして相反するようだけれど変わらない日々を過ごせることはとても大切なことなのだと、典子は骨の髄まで教えてもらったのだろうな。
昔お茶を習っていた時に思ったのは、お茶と向き合う時間はとてもゆったりとしていて、この時間だけは日常の喧騒も忘れてリラックスできるということ。
バタバタして心の整理がつかないまま生活しているのと、そうでない場合との落ち着き方は差が出てくるだろうな。
空気が変わるくらい一息つける時間を自分で作りたくなった。
以下好きなシーン。
『立春が一番寒い時期なのは、昔の人がもう春だ、春はすぐそこだ、と厳しい冬を乗り越えようとしていたのだ。あの時の私と一緒だった。私も何とか息をして、冬を乗り越えようとしていた。』