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日日是好日のochoのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
5.0
1993年を描いた物語ですが、普遍的な優しいメッセージがあります。

黒木華と多部未華子が樹木希林にお茶を習う
のがお話の主軸。

お茶のお稽古には、どうしてこうするのだろういう不思議なお作法があり、先生に聞くのですが、"お茶ってそういうものなのよ"と嗜められます。


重たいものは軽々と。
軽いものは重々しく持ちなさい。
入る時は左足から。
敷居とたたみべりは絶対に踏まない。
たたみ一畳を六歩で歩きますよ。
水は真ん中、お湯は底の方から汲みます。
音を立てないで。

などなど、所作一つ一つを怒られてしまうのですが、我々にも役に立ちそうな言葉ばかりです。

"お茶はまず形なのよ。
その形を作って、その後に心が入るのよ"
"なんでも頭で考えるからそういうふうに思うんだね"
"頭で考えちゃダメ、習うより慣れろなんです"
"目の前にある事に集中するのよ"

どうしてもストーリーや理由ばかり考えてしまう自分にとっては新鮮な言葉たちでした。
仕事や先輩のやり方とかだと、不合理だと腹も立てましょうが、"お茶"という習い事だと思えばやるしかないという気持ちにもなれそうです。

要領のいい、いとこを羨ましく思いながら、自分の要領の悪さや居場所のなさみたいな事に辛さを感じる主人公に今の自分も重なり、見入りました。
途中、辛いこともありますが

"立春が1番寒い時期なのは、寒く辛い時期を乗り越えて春がくると願うから''

という言葉のように辛いこともいつかは春のように穏やかになる、だから悲観せずに乗り越えようと思えました。

1日1日を大切に。

教えることで教わることがあります。と先生が言うように、
仕事以外でそういうものがあるといいな、とか、辛いことがあっても、手や体が動いてしまうような、心から好きなこと、趣味が欲しいと改めて思う映画でした。

道 という映画も見てみたい
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