ソイレントグリーン2022

日日是好日のソイレントグリーン2022のレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.7
私は阿呆なので「日日是好日」をどう読むのか知りませんでした。

「お茶は形。初めに形を作っておいて、その入れ物に 後から心が入るものなの」

肩肘張らずにという言葉があります。

只者ではないお茶の先生(樹木希林)に指導を受け始めて、典子(黒木華)は、肩肘張りっぱなしで 毎回毎回 お茶の作法や所作を事細かく注意され 直される日々。

しかし 本人の努力もあり、失敗や上手くいかない苦しさもありますが、経験を積んでくると 段々と流れるような自然の動きになってくる。

ここら辺は、見ていて 心地良かったです。

茶道に関して 私は全く知らないのですが、一つ一つの手や体の向き、取り方、置き方、ふくさの扱い そして口上などなど 様式美の極みに思えました。

すべてにおいて 型が決まっている。いや 逆に決まっているようで 実は自然に任されているような そんな感じにも思えました。

典子が お茶の音や雨音の違いを感じるなど 繊細な心の持ちようも成長していって 素晴らしい。

後半から 内容がお茶メインから 少し広がってゆくのですが、そこからは 映画の濃度が薄くなりました。 典子や家族 他の登場人物の方へターゲットが移るけれども、今一つ 深くなかったように思えました。

でもこの映画のタイトル通り 後半からの展開にこそ、 作品の主題というか核心の内容があったのではと気づきました。

後半から興味が少し薄れたという私の感覚。

その意味では、私は この「日日是好日」の本当の深い意味合いを理解出来ていないのだと判断しております。

途中で披露された “世の中にはすぐ分かるものと すぐ分からないものがあって‥‥”云々の言葉は とても印象に残りました。