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日日是好日のスペクターのレビュー・感想・評価

日日是好日(2018年製作の映画)
3.6
『日日是好日』 大女優 “樹木希林” の遺作ともいうべきこの映画、
家内と一緒に観てきました。
樹木希林さん、テレビでは何回も拝見しているが映画として見るのははじめて。

半年余り後に死が迫っている人の所作とは思えぬ、見事な演技振りには、
判ってはいるがやはり “大女優” であることを再認識させてくれた。

さて本作品、
エッセイスト森下典子の「日日是好日 『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」 を、
監督大森立嗣が映画化したもの。

主演 “黒木華”が演じる典子。
理屈っぽい性格であるが故に、理屈では通らぬ茶道にハマっていく。

その茶道教室の武田先生が “樹木” である。
何人もの弟子を抱え、その指南役をこなす先生。

弟子役を務めるのは、実際には一流の茶道の先生達であろう。
その人たちの前で、正月の初釜でお濃茶を点てるシーンは圧巻である。
茶道に関しては “素人” の筈の樹木が、
千家流茶道流儀を卓越した風格が自然体として備わっているのである。

キャストには、他に “多部未華子” “鶴田真由” “鶴見辰吾” などなど多彩である。

映画冒頭から、“袱紗捌き” を始め 「お茶の作法」 が面々と紹介される。
わたしも、海外駐在を前にして、『表千家』を習ったことがあり、
たいへん懐かしく拝見させていただいた。

終わり方も爽やかである。
『日日是好日』 色々な意味で必見作品です!
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