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レイニーデイ・イン・ニューヨークのakuruのレビュー・感想・評価

3.8
 雨の降るニューヨークの中のティモシー・シャラメは美しい。でもこの作品のティモシーは今までとは少し違う。オシャレでもなく、王子様でもなく、ただの普通の、ちょっと風変わりな男の子だ。ただ、ニューヨークの街は少し若者の生き方や見方を変えてしまって、別れを決断させた。ピアノの音が美しくて少し、哀しい音がする。

 いつもオシャレでアンニュイなティモシーくんが立派な「ウディ・アレン作品の俳優」になってるのが面白かった。独特の台詞回しに猫背で、人生に悲観的。なんでも映画的にとらえて、「あの映画ではこうだった」なんてうんちくを並べて女の子をうんざりさせる。でもティモシーくんがやるといつものウディ節が少し違って見えるから面白いよね。

 繊細で、皮肉屋で、周りとうまく合わせられずうまく生きられない。別に好きでも何でもなかった元カノの妹にいい感じのキスをされて、少し自分の価値観を否定されたもんならめちゃくちゃ気になってしまう。自分だけを見てくれてるような気がするのかもね、ママに見てもらえなかったから。男って単純。そう斜めから見てしまうのも私のウディ作品の楽しみ方のひとつなんだけど。

 エル・ファニング、ジュード・ロウ、セレーナ・ゴメス。ウディじゃなきゃ集められないゴージャスキャストがとっても贅沢。ジュード・ロウがめちゃくちゃしょーもないハリウッドスターでこれも贅沢(笑)

 
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