アキラ

レイニーデイ・イン・ニューヨークのアキラのレビュー・感想・評価

4.0
「現実は夢を諦めた人のものよ」
- A Rainy Day in New York -

ある雨の1日を描く話といえば、
大抵はナニカが起こるものだ。
ましてやNYなんだし。

「あぁ、"映画"を見たなぁ。。」
というのが、第一声。
雨の音をベースに小気味良い音楽で包み、
スパイスの効いたジョークをシュールに振り撒く
キャラクターたちがテンポ良く物語を
展開していくのだから、見やすさの塊でしかない。
ウディ・アレン作品のレガシーも感じられる。

テーマというか、話としては、
夢と現実、虚栄と謙虚の間を揺れる人たちが
築く関係は、十人十色で更に複雑に絡みながらも
ていねいにほどけていき、最後には成長譚となる、
そんな風に受け止めても良いのかなぁと。

特に主人公とその彼女が対照的(撮影方法も)で、
”風変りな”シティボーイと夢見がちな田舎のご令嬢。
「育ってきた環境が違うから好き嫌いは否めない〜」
とまぁ、山崎まさよしのセロリの歌詞みたいに、
噛み合ってないんよ。でも好き、みたいなね。
(余談だけど、これ書きながらセロリのMV見てみたら
サビで水着女子に囲まれるすごい世界観で笑った)

そして現れる元カノの妹、、
AVみたいな大クセ設定をかましといた上に
バチクソなツンデレキャラは、もう大泥棒猫です。


土台はこんな感じで、
主人公は、彼女とのお忍び旅行として、
久々に戻ったNYで人生の”転機”を迎えるお話。
.
誰もが、”なりたい自分”と”なれない現実”に葛藤し
その原因を”環境”のせいにしたりするもんだ。
ただ、これらはシンプルな相関図で描けるわけなく、
ただ”見えている”だけのもの。そこに、
見えてない自分の本質や知らない相手の価値観などを
手にして(足掻きながらも)ようやく成長できるのかも。
ただし当初描いた理想の自分ではないかもしれないが。


シンプルにこの映画で言えるのは、
恋愛とはタイミングが大事であることw
.
そして、日本版の宣伝ポスターが
コピーからなにまでダセェ!!!
アキラ

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