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こどもしょくどうのtoshiのレビュー・感想・評価

こどもしょくどう(2017年製作の映画)
4.5
以前から気になっていて動画サイトで見つけた為やっと鑑賞。
子供食堂に訳あって訪れる子供達の事情とかを描いた内容かと思ったのですが全然違いました。

小学生のユウトは両親が営む食堂の長男。ユウトには育児放棄の母子家庭で育つタカシという親友が居ます。ユウトの両親はタカシの家庭事情を理解しておりユウトと妹のミサ同様家族の様に向き合い食事やお弁当を作ってくれます。タカシは学校でいじめらていて、ユウトはタカシの相手はしながらもいじめは見てみぬふりをする。そんな自分にどこか嫌気を感じている・・・。そしてある日ユウトとタカシは車上で父親と暮らす姉妹ミチルとヒカルに出逢う。

人の親になった事のない私が生意気言って申し訳ないのですが、理由はあれミチルとヒカルの父親は酷すぎました。ぶん殴りたくなります。親だったら子供を見捨ててはならないし守らなきゃなりません。そんな父親とは逆に子供でありながら何かとミチルとヒカルを気にかけるユウトとタカシは立派でした。この姉妹を助けてあげる為にはあまりにも幼すぎる二人は何をどうしていいか分からないながらも一生懸命の手を差し伸べます。
そして幸いなのはタカシの事情を理解できているユウトの両親がミチルとヒカリの前に現れた事。まともな食事も取れていないミチルとヒカルが、ユウトの両親が作る夕食を初めて食べるシーンは涙止まりませんでした。どんな思いで暖かいご飯を食べているのかと思うと、もうちょっとダメですね。ホントボロ泣きでした。

偶然出逢った子供達。ミチルとヒカルにとってユウトとタカシに出逢った事が小さな奇跡だったのだと思いました。いじめられてもじっと耐えるタカシ、タカシのいじめを助けてあげられないユウト。でもこの二人は本当に優しかった。自分の弱い部分を知っているからこそ人に優しくできるのだと思います。

ミチルとヒカルは両親に再会できるのかが気になりますが、ラストのユウト、タカシとのお別れシーンでやっと観る事の出来たその光景に少しでもいいから必ず明るい未来が待っていると信じてやまない気持ちになりました。

何故今作タイトルがこどもしょくどうなのか・・・。大ラスシーンで納得。ひっそり小さく貼られている一枚の張り紙とその内容とご飯を食べにくる子供達をみてまたアツいものがこみ上げてきました。
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