『SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬』（2018）

デビッド・ボウイと40年以上も親交を重ね、イギー・ポップ、マーク・ボラン、YMO、寺山修司、忌野清志郎らのポートレート、アルバムジャケットなど数多く手がけた写真家・鋤田正義を追ったドキュメンタリー。1938年に九州の炭鉱町で生まれた鋤田は60年代に広告写真で注目を集め始める。70年代には海外へ飛び、ボウイとの運命的な出会いを果たした。布袋寅泰、山本寛斎、永瀬正敏、糸井重里、リリー・フランキーら鋤田と親交のある人びとの証言を交えて、2018年5月に満80歳を迎える鋤田の創作活動や人柄に迫っていく。(映画.comより引用)

たまにはドキュメンタリーを。
ニキータみたいな感じでスキータかと思ったら違った。鋤田さんだった。

出てくる人たちが大物ばかりで全く詳しくない私でも凄さがわかる。
それだけでなく所々映る彼の写真にも惹き込まれる。肩書きにだけでなく。

YMOのお二人が出ていて少し寂しい気持ちになりましたが今となっては貴重な映像です。

2023-354

• #kkbkrk2023

劇場 No 83

80点
地元の名画座・昭和館での3本目👀
http://www.instagram.com/cinemawalker

福岡生まれの世界的写真家・鋤田正義。デヴィッド・ボウイ、イギー・ポップ、マーク・ボラン、ＹＭＯ、寺山修司、忌野清志郎等、時代を駆け抜けた天才たちの≪永遠の時≫を獲得してきた。そんな彼はどのようにして、数々のアーティストたちと信頼関係を築き、唯一無二の一瞬を写真に刻むことができたのか？本作ではリリー・フランキーや布袋寅泰、糸井重里などのアーティストの証言を交えながら、齢80を超え今なお進み続ける鋤田正義の信念・情熱、そしてその原点に迫る(昭和館 HPより抜粋)

恥ずかしながら本作を観るまで鋤田氏のことを存じ上げませんでした😓
ここのジャケ写に写っている‘ボウイ’の写真や、‘髪をなびかせてギターを弾くマーク・ボラン’、そして ‘サディスティック・ミカ・バンド’ のアルバム「黒船」のジャケ写(インスタに所蔵するLPジャケ貼りましたので是非ご覧を)まで手がけていたとは...🤭🤭🤭

さらに世界を股にかけて活躍される鋤田氏が福岡県直方(のうがた)市のご出身だというのにもオドロキ、見たことのある景色に一層親しみが湧いてきました📷

鋤田氏に関して最も素晴らしいと感じたことは、あそこまで偉大な方なのに非常に謙虚な姿勢の方だということ...🙇‍♂️本当に自然体が似合ってらっしゃる方なんですよ🤗

かの D.ボウイが鋤田氏に心を開いて真の姿を晒したのは、この鋤田氏の謙虚な姿勢によるところが大きかったのではないかと感じた次第です📸
人生の大先輩としても、その生き方に本当に憧れてしまいました🙇‍♂️

※U-NEXTでも配信中のようです。未見の方は是非🤗

• #202062355

鋤田正義。
恥ずかしながら何方か知らなかった。
あの写真もこの写真もこの人が撮ったものだったんだと知って驚愕した。
穏やかそうな面差しで失礼だが有名なカメラマンには見えない。
鋤田さんは名だたるアーティストのあの有名な一瞬をカメラに収めた人なんだ。

髪がまるで今揺れている様な凄い躍動感あるあの有名なマーク・ボランの白黒写真。
BOØWYのギタリストだった布袋寅泰がこの写真を見てギターを弾けなかったのに俺もギタリストになろうと思ったという。
ちょっと笑ってしまったがそれ程凄いインパクトある写真だ。
BOØWYは昔に少しハマって若かった布袋さんがニコリともせずにギターを弾く姿にうっとりした事もあったが今は穏やかそうに笑顔を浮かべて鋤田さんに「あの写真がなければ今の俺はなかった」と熱く語る。
ボランの亡くなった自動車事故現場に布袋さんと鋤田さんが訪れてボランの胸像と記念撮影する。
布袋さんは一ファンに返って目がキラキラしていた。

マーク・ボランが終わると「Starman 」が流れる。
いよいよ待ってました、ボウイの登場だ。
急にボウイが亡くなったという喪失感がぶわーっと襲ってきて涙が出てきた。
今頃何泣いてんのと自分を笑いそうだったがあらためてボウイが亡くなったんだと突き付けられた気がした。
布袋さんがマーク・ボランなら私はなんと言ってもデヴィッド・ボウイの「HEROS」のあの写真。
鋤田さんとボウイは40年も親交があったらしくあの有名な山本寛斎デザインの「アラジンセイン」のツアー衣装も鋤田さんが撮ったものと知った。
あれは本当にボウイの為の衣装。笑
一説にはあの衣装は女物と聞いた事がある。
「HEROS」の後にプライベートで京都を訪れ他数々のショットは映画なんだと思っていたが鋤田さんが同行して京都を堪能している若きボウイを撮影したらしい。
調べてみたらWOWOWで今年1月に放送されていた様で「しまった！見逃した！」と思っていた私はオンデマンドだと10月初め迄観る事ができると知って早速観てみたら今作でも登場した高橋靖子さんがステージが始まる直前に額に金で丸く塗っていると金粉が目に入ったから痛くてステージに立てないとボウイが混乱して突然泣きじゃくって靖子さんがなだめてステージに立ったという貴重なエピソードを知る事が出来た。
高橋靖子さんは語る言葉がその時々をイメージできる様な言葉のボキャブラが広くとてもチャーミング。
興味のある方はWOWOWオンデマンドでどうぞ。
ボウイは「HEROS」から36年後にあのジャケット写真の中心に四角い白い紙を貼って顔が見えないようにしているアルバムジャケット「The Next Day」ても鋤田さんの撮った「HEROS」の写真を使っている。
プロの写真家の仕事はよく知らないけど鋤田さんは当たり前だがこの時実に沢山の写真を撮っている。
鋤田さん自身も言っていたがいいポーズを決めてそれを撮ろうとしたら遅いって。
あの夢の様な一瞬は鋤田さんでさえも狙って撮った一枚ではなく数ある写真の中で群を抜いていてこれが一番いいなとボウイに見せると彼も相当気に入った様だったと。
元々あの髪型ではなかったのが分かって驚いた。
リーゼント風に整えた髪型で両手をテーブルの上に投げ出し正面からカメラを見つめている写真から始まって前髪に手を入れて髪型を崩しカメラから目線を逸らしているものの神経質そうに眼光鋭くあのポーズを決めたあの一瞬が撮影から何年も経っていても初めて見た時私はまだ小娘だったけど心を掴まれて一目惚れした。笑
白黒写真は骨格が整っていなければ変な所に影が出来たりして端正な顔立ちじゃないと美しく写らないと思っているので愕然とした記憶がある。
同じフォトセッションでもっと髪をぐちゃぐちゃにして目を伏せて口元だけで笑っている写真もあったんだ。
これもいい。笑
何年も経ってまた心を掴まれたよ、ボウイ。
シャッターチャンスにシャッターを切れない写真が下手な私はこの神のようなスーパーショットがボウイの一番。
ギターが弾けない当時の布袋さんのようにギタリストになろうという啓示は受けなかったけど間違いなく今も心を掴まれている写真の一枚だ。
今頃「The Next Day」にハマっている。
死んでもなお私の心を掴んでいる偉人の一人。

リリーフランキーも出ていて鋤田さんと同郷と言っていた。
こんな田舎で生まれ育った人の撮った写真がこんなに素晴らしくて世界的に認められたなんて何だか自分のことのように嬉しかったと言っていた。
そういうリリーさんも今や世界的に有名だと思うけど。

マーク・ボランの和製そっくりさんと思っていたアキマ・ツネオさんてミュージシャンだったんだ！笑
マルコシアスバンプって聞いたことあるぞ！
ボラン好きなんだなぁ。
ボラン一筋。
鋤田さんとのボランのTシャツの貸し借りの話は笑っちゃったなぁ。
そんな大事なもの貸してくださいって普通言う？
でもそれを鋤田さんが貸しちゃう。笑
きっともうボランのTシャツはアキマさん、あなたのものですね。笑

YMOの「ソリッドステイトサバイバー」持ってました！
この有名なジャケは鋤田さんの撮った写真なんだ！
あの人民服はユキヒロさんのデザインだったの？
今作でユキヒロさんと鋤田さんが当時を振り返って話していた時にそんな話をしてしたような。
ひと時代築いた3人が別々の場所で鋤田さんとインタビューしているのも何か感慨深い。
冒頭いきなり「Behind the Mask 」で始まって鳥肌が立った。
私の持ってる初期のYMOのアルバムを引っ張り出してきたら娘が今頃聞いていてなんか家の中で時代が戻っています。(^^;;
今も映像がYouTubeで見れるから懐かしいけど若者には古く感じないみたい。

ジム・ジャームッシュも是枝監督も鋤田さんと関わりがあったんだと驚いた。
清志郎もメンフィスで撮った写真があるのは知らなかった。
清志郎の話も誰か他の人がもうちょっと喋ってくれなかったのは残念。
でもどの仕事も今の鋤田さんに繋がっている。
ボウイの写真を撮っていた若い頃の鋤田さんは日本人と言うよりジョン・オーツみたいに見える。笑
ファッションの世界でも仕事をしてたからそっちの業界の方とも親交があるし彼の生きてきた80年間は本人にとっては駆け抜けた人生なんだろうけど音楽と一緒で写真も永遠に残るのだろうな。


御歳80歳。
でも矍鑠としていて何処までも歩く鋤田さんにあたたかいものを感じる。
その筋の大御所ならデジタルが主流になったら新しいものを否定して昔のやり方にこだわりそうだけど鋤田さんは違ったらしい。
常に時代を見据えて何か新しいものを自分の中に取り込み消化して自分のものとする。
鋤田さんに教えられた。


パンフレットが1000円だったがとても装丁が素晴らしく永久保存版だ。
買いに行ったら隣に鋤田さんが撮ったボウイの写真集が売っていて3000円だったが買ってしまった。(^^;;
亡くなった今も未だボウイに引き込まれている。
同時にこれを撮った人が鋤田さんで彼がどんな人なのか知る事が出来た。
凄い人なのにあったかい。
ひけらかさない。
やっと「HEROS」を撮った人がどんな人だったか分かった。
鋤田さん、これからもお元気でと願わずにはいられない。