みちろう

天国の口、終りの楽園。のみちろうのレビュー・感想・評価

天国の口、終りの楽園。(2001年製作の映画)
4.3
10代の少年フリオとテノッチはお互いの彼女が旅行に行ったのをきっかけに人妻のスペイン人お姉さんルイサを誘って3人で天国の口というビーチを目指して真夏のメキシコをドライブをする。
彼女のことを忘れてエッチなことしか考えてないフリオとテノッチ、夫に裏切られて心に傷を負ったルイサの関係は、何の目的もなく旅をしていたものからお互いに成長し合い人生観を変えていくものになっていく。

天国の口へ車を走らせる3人の道中に映る景色は基本だだっ広い荒野の風景で立ち寄る場所はホテルや田舎の村っていうロードムービーとして意識するとちょっと地味。だけど色んな背景がある3人が過去を振り返ったり自分を見つめ直したりして思い耽る所がすごく良かった。地味とか言ったけど太陽に照らされたメキシコの大地に青く光って全てを締めくくる海はとても綺麗。

ただ一つ、終盤のナレーションで伝えるこの幸せそうな一家は後々家業を捨てて貧しい生活をするとか彼女は実は余命1ヶ月のガンだったみたいな設定だけはなんか唐突で違和感ある。

冒頭からエチエチ全開のシーンが強烈に目立つ映画だけど内省的な人間の魅力を大いに感じる映画。青春時代を恋しくなりつつ、散歩やドライブをして考えに浸ってみたくなった。イトゥママタンビエン。
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