あさのひかり

ブレッドウィナー/生きのびるためにのあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.0
タリバン政権下のアフガニスタンで、家族の生活のため、男の子の姿で生きることにした少女のお話。

女性は一人で出かけることすらできない不条理。男性家族は足の悪い父のみで、どうやって生活をしていくのか。

神の教えを盾に、そんな不条理を押し付けられたり、気に食わない他人に平気で暴力的になれたり。そんなことが許されるのはやっぱり私には許せないな。

現在のアフガンの地が生きづらい場所だったとしても、そこには美しい文化が根付いていたことを感じさせる、少女の語る物語の導入は良かった。というか、子どもも見ること前提のアニメ作品だと思うけど、この美しい物語が挿入されてなかったら、大人の私も作品見るの気持ち的にかなりきつかった。

どんな過酷な中でも、人って自らの物語を作りながら生きていくんだ、ってことを思いながら。でも何より、こんな風に生きざるを得ない人達がいる現実が地上からなくなって欲しい。
あさのひかり

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