スケール設定の大きさに驚きながら、楽しむことができる作品です。
石油メジャーによくある国境越えだけではなく、変化に富んだ欧州の風景を、切羽詰まって、脇目を振ることなく駆け抜けて・・・・・、
さらに、バック・グラウンドや個性の振り幅が大きい登場人物たちが、それぞれ、独自の仕来たりや発想を、粛々と、仕掛けることになる・・・・・、
そういったコントラストが、緩急交えて、鮮明に進んでゆくため、最後まで、スクリーンから目を離すことができませんでした。
あと、もうひとつ、こちらは、気のせいなのかもしれませんが、
空の色が・・・・・、21世紀になって見慣れてしまったものではなく、1970年代、あるいは、1980年代に見上げていた、「あれ、日本と違って、青が薄いなあ」、「なんか、抜けていないなあ」、といった、子供心に残っている、どこか懐かしい色合いに仕上げられていたのが、事件当時のリアル感を、どことなく支えているような気がします。