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ゲティ家の身代金のmitzのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
2.5
石油の貿易で財を成し「世界一裕福な個人」としてギネスにも認定されたジャン・ポール・ゲティ。1973年に彼の孫ポールが誘拐された事件を基に描かれた作品です。
物語はポールの母アビゲイルが息子の救出のため奔走し続けます。身代金を出し渋る守銭奴ゲティ卿と、マフィアからの度重なる脅迫の狭間でアビゲイルは解決策を模索します。が、結果的に特別斬新なアイデアが浮かぶわけでもなく、思わぬ伏線の回収もありません。
孫の命は救おうとせず、美術品を買い漁り、物語終盤では身代金の支払いを所得控除に利用しようとする御大もどこか魅力的に感じ、対立軸となるマフィアたちにも際立った嫌悪感がないため、全体的に抑揚のないまま上映時間だけが長かった印象です。
ゲティ役を演じていたケビン・スペイシーの降板により、公開一ヶ月前に再度撮影をしたことが、(代役のクリストファー・プラマーの演技は素晴らしかったにせよ)作品のクオリティに少なからず影響を与えているのかも知れません。

ちなみに今日6月6日はジャン・ポール・ゲティの命日、という偶然。
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