「どうせ死ぬなら、実家で死んでくれよ」ー男が最低の言葉を吐いたその夜、妻が他界する。残された男は、葬儀にも行くことさえ出来ず、飲んだくれる。そしてその男の兄は、妻に見限られ、息子にも会えず、さらには職場でもまったく喋ることが出来ない日々。ある日、酔っ払って「死んだ妻に会いたい」と嘆く弟を見て、兄は決意する。酔いつぶれていた弟が起きると、いつの間にか車の中。行くアテもなく、片道切符の匂い漂う道中だが、突然、下着姿の女が飛び込んでくる。そしてその女の姿を見た二人は絶句する……。/オフビートな笑いに包まれた、悲しくて、切なくて、それでも生きていく、それぞれの一歩。