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サムソン 神に選ばれし戦士のnekoyashikiのレビュー・感想・評価

3.5
昔好きだったリンジー・ワグナーが出てるというのでタイトルは知ってたが、
なかなか見る気にならなかったのが、偶々今日スターチャンネルで放送されていて、
今大変なことになってるガザが舞台になっているということで視聴。

主人公サムソンの両親役をやってるのがルトガー・ハウアーとリンジー・ワグナーで
ルトガー・ハウアーはブレードランナーのレプリカント役で
リンジー・ワグナーはバイオニック・ウーマンのジェミー・ソマーズ役で有名で
アンドロイドとサイボーグ役が当り役の俳優だが、
サムソンの両親はごく普通のヘブライ人なので
わざわざこの2人をキャスティングしたのはプロデューサーの趣味と思われる。

ちなみにジェミー・ソマーズの名前の由来はプロテニスプレイヤーのジミー・コナーズから来てるらしい。ルトガーの父親は中盤でペリシテ人に殺されてしまうが、リンジーの方はラストまで出番があり、メイクもあると思うが皺くちゃのお婆ちゃんになってる。それでも顔立ちの整ったスタイルのいいお婆ちゃんで往年の美人女優の面影が偲ばれる。ちなみにメリル・ストリープと生年月日が同じらしい。

映画本編の方は旧約聖書の士師記のサムソンの部分をほぼ忠実に映画化してるらしいです。サムソンはペリシテ人の新妻に謎掛けの答えを教えたために賭けに負けたことが原因でペリシテ人の兵士30人殺して衣を奪い、宴に最後まで参加しなかったことを理由に結婚を無効にされたことに怒って300匹のジャッカルの尾に火の点いた松明を結びつけてペリシテ人の土地を焼き払って、その報復に妻とその父親を殺されます。やがてペリシテ人の軍隊に捕縛され首を斬られそうになるが、神の霊が降りて縄が落ち、驢馬の顎の骨でペリシテの兵士1000人を殺します。

その後20年間サムソンは士師としてイスラエルを裁くが、デリラというペリシテ人の女性を愛するようになり、ナジル人として死者に触らないこと、酒を飲まないこと、髪を切らないことの3つ全部を破ると自分の力が失われてしまうことを話してしまい、薬を飲まされ寝ているうちに髪の毛を切られてしまい、怪力を失い、ペリシテの王子に目を潰されてしまいます。サムソンがペリシテ人の女性に大事な秘密を教えてしまい、大変なことになるのは2回目です。

ペリシテの王子ラッラーはサムソンを群衆の前で晒し者にして屈辱を与えるが、サムソンの祈りが神に通じて力を取り戻し、怪力で巨大な建物を崩壊させ、多数のペリシテ人を巻き添えにして建物の下敷きになって死ぬ。

ユダヤ人とパレスチナ人はおよそ3200年くらい前から殺し合いをしていたようです。ユダヤ人もエジプトで奴隷になったり、ペリシテ人に奴隷にされたり、ローマの植民地になったり、ナチスに虐殺されたりして大変な苦労をしてきたんだと思いますが、旧約聖書の時代からあまり進歩してない気がします。この映画をアラブ圏で劇場公開、放送したりしたら暴動が起きそうです。
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