ずっと観たいと思っていたら、Netflixで視聴できるようになったと知り早速。二回観てしまった。
"スパイ映画"で想像するような、アクションなどの派手なシーンが無いことに驚きつつ納得し、全編を貫く重厚でハードな演出に魅了された。且つ、分かりやすくておもしろいエンタメのバランスも素晴らしい。
静かに進むのに展開はスピーディーでテンポがよく、心理的な描写をぐっと抑えて、何も語らない／語れないのに、感情を揺さぶられた。この表現の仕方が本当に良くて、胸が熱くなる。中盤で短いシーンではあるけれど、北朝鮮の地方の村に暮らす人々の飢餓の惨状と子供達の姿が挿入されたのも、自分の中で気づかないうちに深く刻まれ、この気持ちに作用していると思う。
実話ベースとは言っても、パク・ソギョンとリ所長の繋がりは、さすがに架空かな？と思ってた。でも、この二人の関係も実際にあった物語だと知り、人間としての希望を見出すと同時に、尚更やりきれなさを感じた。だから映画にする意義があるのだと思った。
