みかんぼうや

工作 黒金星と呼ばれた男のみかんぼうやのレビュー・感想・評価

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)
4.0
韓国映画を手放しで褒めるつもりはないですが、本当に韓国の“政治絡み”の映画はクオリティと見応えが凄い。先日の「1987 ある闘いの真実」も素晴らしい映画だったが、本作も観終わった後の満足感は十二分。

こちらも「1987・・・」同様、北朝鮮絡みではあるが、韓国内の民主化運動後の時代の話。黒金星と呼ばれる、北挑戦の核兵器について調査をする韓国人スパイが、事業家を装って北朝鮮に潜入する中で見えてくる、韓国大統領選挙と対北政策の闇。

実話をもとにしたフィクションということだが、どこまでが真実でどこがフィクションなのか大変気になる。本作で描かれる、普段マスコミでもなかなか語られないであろう韓国と北朝鮮の繋がり。本作は20年以上前を舞台にしているが、核で東アジアを脅かす北朝鮮に対して、現在でも韓国の政治的な思惑と北朝鮮の行動が深くリンクしているのではないか、と疑念を持つほどの非常にディープな内容だ。

恥ずかしながら鑑賞前は、スパイ物ということもあり後半はアクションシーン満載の豪快なエンタメ作品だと思っていたが、話が進むにつれ、草の根的な南北国交をテーマとした作品としての深さが増し、ラストシーンには思わずグッとくるものがあった。いい意味でかなり期待を裏切られた良作。政治絡みの韓国映画に外れ無し!
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