1992年、北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島の緊張状態が高まるなか、北への潜入捜査を命じられた実在の諜報員・
黒金星(ブラック・ヴィーナス)を主人公にしたスパイ映画。
何より実話がベースというのがハラハラ感を増幅させてくれます。
黒金星のモデルであるパク・チェソ氏も「「自分が見たスパイ映画の中で最も事実に近く作られている。台本も細部を押さえている。」と作品を見て述べたそうです。
アクションなしで緊迫感を2時間保つ演出、テンポの良い展開、南北の登場人物の配置、史実等の適度な情報の開示。
非常に巧妙な計算・設計によってとてもスリリングな作品に仕上がっています。
ちなみに、これもまた『JSA』などの「南=正義/北=悪」という構図を破る作品群の一つに数えられるでしょう。
色々なレベルで楽しめる良作です。
〜スコア〜
身体感覚:0.8
南北関係やその歴史の知識不足で理解に困る部分が少なからずあり若干没入しきれなかった。
新規性・挑戦性:1.0
自然さ:1.0
必然性:1.0
残響:0.6
この手の語りすぎのラストはやっぱり好きじゃない。これは好みやろうけど。
※ 韓国のイ・ヒョリと北朝鮮のチョ・ミョンエが共演したcmなどはYouTubeにあるので、鑑賞後に合わせて観ると色々思うところがあるかもしれません。