主人公のハロルドは、親友のリチャードのコネで入った会社をクビになり、最愛の妻はそのリチャードに寝取られるという何から何まで情けない男。クビになる前に仕事でメキシコを訪れたハロルドは、クズ上司であるリチャードとエリーンに復讐を決意。チンピラを雇い、偽装誘拐を企てるのだが、次第に地元のマフィアから本当に狙われることに……。
負け犬人生を送っていた男が、狂言誘拐を実行し、一発逆転を狙うというストーリーは、コーエン兄弟のFARGOを彷彿とさせる。だが、サスペンス展開がいまいち弱いため、FARGOほどコミカルにキャラクターを動かせていないのが目につく。また、コメディというジャンルの割には、期待していたライトな内容ではなく、笑える所も少なかったのが残念。
だが、ストーリーの大半でハロルドがいかについていないかを描いているため、ラストの爽快感を見事に演出できている。
