ダイアー教授

グリンゴ 最強の悪運男のダイアー教授のレビュー・感想・評価

グリンゴ 最強の悪運男(2018年製作の映画)
2.2
題:アメリカ人がメキシコでてんやわんや

グリンゴはスペイン語でアメリカ人を指す蔑称だそうです。
日本だと「アメ公」みたいな感じでしょうか?

名作『アフターショック』でイーライ・ロスが演じたアメリカ人の役名がグリンゴだったのは、
映画好きの皆さまのご記憶にも新しいと思います。

オーストラリア出身の俳優ジョエル・エッガートンが出演し、彼のお兄さんナッシュ・エッガートンさんが本作の監督をしています。
ヘミングウェイのモチーフが登場します。
「日はまた昇る」、牛追いの写真、そしてベネチアのハリーズ・バーも。
リテラシーがある人の知的好奇心をくすぐるでしょう。

役者陣は豪華です。エッガートン、シャーリーズ・セロン、アマンダ・セイフライド、シャルトー・コプリー、タンディ・ニュートン、いい俳優ばかりです。
主演のデヴィッド・オイェロウォは知りませんでしたが、調べたら『グローリー/明日への行進』でキング牧師を演じた実力者でした。

が、ストーリーが致命的に弱いと思います。
製薬会社の裏稼業、偽装誘拐、密輸、男女の三角関係、ナイジェリア出身のお人よし男の受難劇…
いろいろありますが、焦点がぼんやりで、どれもどっちつかずで幼稚だと思いました。

アメリカ人がメキシコでてんやわんや、って映画だとリドリー・スコットの『悪の法則』があります。
漫画に例えると『悪の法則』がさいとうたかお作の大人の作品だとしたら、
『グリンゴ』はコロコロに載っている作品とでも言いましょうか…

面白くないのかと言われれば、決してそうではないですし、
面白いのかと言われれば、決してそうではないですし…
非常にビミョーな作品です。

観て損はないと思いますが、得もしないビミョーな1本だと思います。