おもち

ブラザーのおもちのレビュー・感想・評価

ブラザー(2017年製作の映画)
3.9
 泣けるコメディとのことで期待して鑑賞。マ・ドンソク、イ・ドンフィのコンビ。
 仲が悪く疎遠になっていた対照的な兄弟、父の訃報が飛び込み帰省する途中に偶然出くわしてしまい同じ車で実家へ。その途中に喧嘩になり、ある女性を轢いてしまうが...。
 韓国儒教の難しい家柄問題や葬儀をコミカルなタッチで描くのはなかなかわかりやすくて良かった。とにかく位を重視するみたいで○○の何親等の○○がという感じで家系図がかなり大事そう。主演の2人はもちろん謎の女性、そして新婚の嫁さんがいいキャラ出してて印象的だな。
 夢追い人の兄が家にお宝がないか探し回るけど、出てくるものは母との思い出の品ばかり。ある時父親が遺した日記のようなものを見つけてから物語はいきなり涙腺を刺激する展開に。認知症の進む母親のことをずっと書いていて、最後には夫のこともわからず「あなたはどなた?」「私は子供を産んだことがありますか?」と言う始末。自分のことをこの家の使用人だと言う夫の姿は見ててとてもつらい、本当は家族想いな父親だったのを知った二人が泣きながら父の棺を見届けるシーンは絶品。物語の要所要所に出没する謎の女性も正体がわかった途端にすべてが繋がる作りもグッド。それぞれの持つ思い出がふんだんに描かれていて家族の温かみを感じさせられる。
 落とし方もバッチリで、まさに笑って泣けるコメディ、観終わったあとしばらく余韻に浸ってた。演技もストーリーも大満足の出来だった、オススメッ!
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