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GODZILLA 決戦機動増殖都市のシネラーのレビュー・感想・評価

GODZILLA 決戦機動増殖都市(2018年製作の映画)
3.0
第一章に続いて、
第二章となる本作も再鑑賞。
三部作の中では一番好きな章であり、
種族間での考え方の相違から
何を持ってゴジラを倒すのかという
人間ドラマが魅力的な章ではあるが、
それでもゴジラにメカゴジラといった
怪獣の描かれ方がお粗末に思う映画だ。

300メートルのゴジラ・アースによって
散り散りになったハルオ達は、
人類の子孫である"フツア"の民
によって助けられ、
そこで地球脱出間近で未起動に終わった
メカゴジラの手掛かりを得て、
再びゴジラに挑む内容となっているが、
何を持っての怪獣であり人間なのかを
人類と異星人ビルサルドとの相違から
描かれる人間模様が魅力的だった。
合理的な考え方から人を捨ててでも
ゴジラに勝とうとするビルサルド、
人である事を念頭に葛藤していく
ハルオという対立が描写され、
異星人間の思想の違いが良く描かれた事で
キャラクターとしての深みを
感じられたのは良かった。
賛否両論ではあるものの、
メカゴジラその物を登場させて
怪獣バトルを繰り広げるのでなく、
メカゴジラから派生した
機動都市メカゴジラシティという発想は
SFドラマ中心の本三部作らしい
新たな描き方だと思った。
そんな中でも最終章への引きとなる
ギドラやフツアの民から仄めかされる
モスラの存在は、
従来ファンからは期待してしまう
要素でもあった。

しかしながら、
物語自体の進行自体が前章よりも
ゆっくりなテンポで進む上で、
アクションらしい場面も終盤での
対ゴジラ戦まで無いのが残念だ。
そのゴジラ自体も300メートルの
巨体であるにも関わらず、
基本的に森や山々を歩くだけなので
そのスケールを生かしてはいないと思った。
対ゴジラ作戦も前作と同じ方法で、
新たな兵器を使っているだけなのが
微妙に感じられた。
又、劇場ポスター等でメカゴジラが
描かれていたにも関わらず、
本編での登場は頭部の残骸のみで
メインがメカゴジラシティというのは
プロモーションとしては悪手だと思った。
そのメカゴジラシティの描写だが、
もっとエグい位の生殖する都市兵器
らしい描写も欲しいところだった。

本作に関しても
手放しで称賛という訳ではないが、
前作よりもキャラ描写が多い故の
ドラマ性がある第二章だった。
しかしながら、
従来のゴジラファンからは
型破りな新しさが上手くいっていないと
感じられる内容でもあった。
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