このレビューはネタバレを含みます
名作。
主人公サイモンの「お前自分がゲイでつらいのは分かるけど、人間誰しも悩みがあるし恋愛のことだけじゃなく家庭のことや将来のことで死ぬほど辛い思いしてる人もいるんだから自分ばっか大変だと思うなよ」と言いたくなる様な自己中っぷりを上手く俯瞰して描けていたのがまずいい。
家庭環境は最高だし親友もいて、ゲイであること以外に悩みないんかと言える状況ながら自分のことで頭がいっぱいで妄想しがちなサイモンのズレっぷりをコミカルに描きつつ、酷い目にあってからの再生ぶりや家族のフォローの仕方も凄く丁寧に描いていて素晴らしい。いやでも友達はサイモンがゲイであることバラされた後はもう少し優しくしたれよ。
話の推進力となるマーティンも憎まれ役でありながら最後には憎めないキャラクターとして昇華させる所も作品そのものに優しさを感じた。