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寄生侵略 PARASITE WARのhorahukiのレビュー・感想・評価

寄生侵略 PARASITE WAR(2018年製作の映画)
2.6
閉鎖された病院内で、人間の脳に寄生し人格を乗っ取る地球外生命体と特殊機関の調査員である主人公のバトルを描いたSFホラー。

未体験ゾーンでは珍しい邦画。低予算映画ではありますが、思ったよりは面白かったです。

あらすじ…
人間に寄生し脳を貪り食う謎の地球外生命体ミュールを研究している厚労省内の極秘部署。そこで調査員をしてる主人公は、逃げ出したミュールの犠牲になった同僚を民間の病院に搬入する。しかし、ミュールは同僚の体に潜んでいて、院内の誰かに寄生。閉鎖された院内で誰がミュールに乗っ取られたのかを捜査する主人公だったが…。

劣化版『遊星からの物体X』的なお話。
閉鎖空間の中でエイリアンが誰に寄生してるのかを探るという設定がそのまんまだし、エイリアンの弱点的なものをひとりひとり試させるという展開も瓜二つ。

『遊星からの物体X』は大好きなので、閉鎖空間+寄生型エイリアンという設定が私的にツボ。寄生された人間は、外見や所作では全く区別が付かず、見分ける手段であるレントゲンも壊されてしまい打つ手なし。そんな状態で、居なくなる人や体調不良で倒れる人も出始め、捜査は難航。こういったサスペンス展開に持って行くための舞台設定がめちゃくちゃ強引ではありますが、ツボは最低限押さえてるので楽しめます。

ただ、超低予算かつ見せ場がほとんどないストーリーで設定もガバガバ。わざとらしい展開な上に演技も残念。正直かなり酷い出来なのですが、設定自体のポテンシャルが高いので、何とかそこに助けられた感じですね。

せっかくの寄生型エイリアンにも関わらず、徐々に院内の人間が乗っ取られていくような展開がないので、閉塞感や緊迫感がほぼなく「誰がエイリアンか」を探るだけのサスペンスとしてしか設定を活かせてないのが残念。そういったサスペンスに重きを置いている作品なのはわかるのですが、それならもっと色んなキャラに不信感を与えて欲しかったし、主人公が一部の人間を信頼してる理由づけが雑すぎなせいでミスリードに失敗してるのもう〜んって感じでした。

改めて『遊星からの物体X』がいかに優れた作品かを思い知らされました。カーペンター監督はやっぱり凄い!
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