オーバーボードのykzrのネタバレレビュー・内容・結末

身分が全く違う二人が、偽装家族として生活していく中で、少しずつ互いを尊重し合い、愛を向けていく姿に感動した。
話のテンポも良く、基本的にコメディ調に進んでいくため、退屈することはあまりない。ただ、嘘がバレていくパートは個人的にかなりハラハラとした。
途中、記憶を取り戻したレオが自分自身の立ち位置を問うシーンがある。それに対し、使用人のコリンが回答する言葉が印象に残った。
「多くの人間は自分の人生しか知らない。あなたは別の視点から人生を見た。厄介ですね。」
本当にその通りだと思う。私たちは自分の人生以外を体験することはまずない。それを知ってしまった時、自分の足元が途端にぐらつく。とくに、彼の場合は、偽装家族としての生活の中で「心からの親愛」が芽生えており、本来の自分との間に非常に揺れ動いていた。
その揺れ動きから自身の中に芽生えた感情に向き合い、固く離れない様に少し泣いてしまった。全てを通して見たあとのエンディングムービーはかなり嬉しいことだらけだったので、必見。