一人旅

スカイスクレイパーの一人旅のネタバレレビュー・内容・結末

スカイスクレイパー(2018年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ローソン・マーシャル・サーバー監督作。

火災が発生した超高層ビルを舞台に、愛する家族を救うため奮闘する父親の勇姿を描いたアクション。

『ワイルド・スピード』シリーズへの出演を始め『カリフォルニア・ダウン』『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』『ランペイジ 巨獣大乱闘』等近年お見かけすることの多くなった“ザ・ロック”こと筋肉俳優の代表格:ドウェイン・ジョンソンが主演を務めたパニックアクションで、解り易い作劇と迫力の映像で手堅く纏めた王道系の快作に仕上がっています。

香港にそびえ立つ高さ約1,000mの超高層ビル「ザ・パール」を舞台に、犯罪組織の陰謀によって火災が発生したビルに取り残された妻子を救い出すべく孤軍奮闘する元FBI捜査官の主人公の姿を描いた作品で、“火災”と“犯罪組織”、二つの強敵に立ち向かう主人公の勇姿を迫力万点の火災映像&格闘アクションをふんだんに取り入れて活写しています。超高層ビルでの火災―『タワーリング・インフェルノ』、ビルを舞台にした悪党との対決―『ダイ・ハード』…と、往年の名作のいいとこどりをしたオリジナリティーに欠ける作風は賛否両論ありますが、それについては独壇場の力演を披露したドウェイン・ジョンソンの気合100%でエンディングまで押し切っています。

主人公が過去の任務で片足を失っているという設定が特色ですが、義足の装着が彼の行動にそれほど不利に働いていない印象です。「あ、そういえば義足だったな…」とたまに思い出す程度のもので、義足だからといっていつものドウェインアクションを堪能できないわけではありませんのでご安心ください。クレーンからビルに大ジャンプしたり、粘着テープを使ってビル側面を恐る恐る歩いたり、行く手を阻む敵共と死闘を繰り広げたり…と、愛する家族を守るため満身創痍、おひとり様SASUKE状態の活躍を見せています。ドウェイン・ジョンソンの頑張りには拍手を送りたいのですが、脇を固めた役者陣の存在感はまるで残念賞であります。火災を引き起こした犯罪組織の面々はいまいちパッとせず、『ダイ・ハード』のアラン・リックマンのような強烈キャラの悪役は不在になっています。

ただし、悪役の力不足を迫力の火災映像がカバー、災害パニック映画の醍醐味を体感させてくれます。上方に向かって勢いよく燃え盛る業火と、ビル内に取り残され逃げ場を失っていく妻子の切迫した状況がダイナミック&スリリングに活写されていますし、酸素の急速な取り込みによる爆発的火災は『バックドラフト』を連想させます。
一人旅

一人旅