映画好きの柴犬

プーと大人になった僕の映画好きの柴犬のレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
3.7
「何もしない」から、幸せになれる

 大人になり家族との時間も取れないほど仕事漬けのクリストファー・ロビンの元にプーがやってきたことから始まる騒動を描くファンタジー。

 かつての主人公が子供心を失った大人になってからを描くのはスピルバーグ監督の「フック」と同じようなテーマ。本作は「フック」ほどの大作ではないが、現実とファンタジーのバランスが程よくて、ちょっと疲れ気味の大人の心に刺さる、良心的な実写化になってる。現実世界に出てきたぬいぐるみのプーたちの描き方が自然で違和感がないのがいい。

 しかし、旅行鞄を作る部署で働くクリストファー・ロビンが、仕事に忙しくて旅行鞄を使う暇もないっていうのは、労働者が報われない今の世界経済をストレートに皮肉ってるよね。