のり

スモールフットののりのレビュー・感想・評価

スモールフット(2018年製作の映画)
3.9
深いメッセージを含んだアニメ、オリジナル曲のクオリティ高め!
イエティやら雪男を我々は「ビッグフット」と呼ぶ。したがって、彼らから見た人間は相対的に「スモールフット」。この映画はそんなビッグフットの世界と彼らから見た人間達の世界への好奇心のお話。

ビッグフットの世界は彼らの社会を守るため、昔からの伝統・教えが書かれた石、「ストーン」に従うようされている。
まぁこの教えが文字通り石のように変化を拒み動かない、市民を盲目にしている元凶なんだが、そんなことも知らない市民はある意味で幸せに暮らしている。なぜなら、彼らは無知であることに無知だからだ。(無知無知だね。)進撃の巨人で言う市民は壁の中の人々で、壁は「ストーン」だね。

だが、主人公はあるきっかけから、教えの外にも世界がある、「スモールフット」の世界があることに気づいてしまう。より広い世界を知り心躍るんだけど、
好奇心は時に社会全体に危険を及ぼす。だから、思考を奪ってしまえ、と。「ストーン」の教えに戻そうとする。

これまた進撃の巨人で言う、調査兵団と壁内の王の関係。

そこで主人公は無知であることを知ってしまった自分(知無知)と無知であるとに無知の以前の自分・他の皆とのギャップに苦しむ。
“I miss being ignorant”

共感できる。

知ってしまったことを無かったことにはできない、この精神的な目覚めが一方通行であり、貫き通すしかない。と主人公は気づき社会全体を変えていく…。

子供向けアニメながら深いメッセージを含んでると思った。
この映画は人間の精神的な幸せレベルの話に置き換えられる気がした。
与えられる幸せで満足するのか、この世にはもっと幸せがあると信じるのか、
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