「血圧引っかかりましたか?じゃあ少し控え目にしておきますね。」と言いたくなるぐらいにストーリーは薄味だし、主人公が抱えているPTSDやソレを深く印象付けるフラッシュバック演出がその薄味ストーリーを補完するどころか一切絡まないという'重箱の隅'というよりは"幕の内弁当の煮物エリア"ぐらいにツッコミは入れたくなる範囲多めな展開に結構な衝撃は受けるのだが、そんな感じだからこそ安心してしっかり強い主人公。
そう!
コレは間違いなくド安定な《アクション俳優愛でる系映画》映画である。
もうオープニングから既に心的疾患ハンパねぇ演出かましておきながら、事が動き出したら合間に刺さる「彼、病気なのよ。」フラグも観てるコッチが
『イヤ、コレは大丈夫っしょ。』
って言いたくなるぐらいに機能してないんだから一周回って"ギャグ"になってる様なモンである。
ジャパニーズYAKUZAのクオリティ等に対するツッコミ不可。
…と、いきなり悪いアプローチしたのだが、この作品そこまでグダグダな駄作かというと
『実はそうでもない。』
確かに薄味だし、ひねりも無い。
ありきたりなB級映画と言ってしまえばそれまでだが、そのB級映画なりのツボは押さえていて、主人公目線でしっかりと勧善懲悪いてまえアクションを楽しめる様になっている。
愛でる映画としては及第点な作りなのですよ。
(もちろん主役のマイケル・ジェイ・ホワイトに興味も何もない人や"映画は物語が最重要"な人には薄味&ド定番な時点でお察しなワケだしw)
そしてマイケルのアクションをしっかりキッチリ映しているのだから、好きな人にはもう充分に『O.K.で〜す!』となるワケでして。
正に〈午後ローなら観ちゃう〉ぐらいな出来の、そしてソコよりも上に来る事は無い、安心安全のB級アクション作品。
アクションにおいて個性を問えば"コレだ!"があまり見えないタイプだが、逆に言えばオールラウンダー感のあるマイケル・ジェイ・ホワイトも年齢を重ねて最近は《"型が綺麗"なアクションコレオグラフ》というスタイルに見えて来た。
ジャンル特化型で攻めるなら そのスタイルを極めるのはアリかもしれない。
まぁ日本未公開な上にDVDスルーどころかストップ案件なので続編やれるぜ感満載なエンディングが成就するかは微妙ではあるが、気楽なB級が観たい気分/マイケル・ジェイ・ホワイトって誰?って人には悪くない作品だと思う。
現状日本での鑑賞はNetflixのみの様だが、以前なら観れない確定だった映画が字幕付きで観れる事に対して素直に感謝したい。