るるびっち

クエスト・オブ・キング 魔法使いと4人の騎士のるるびっちのレビュー・感想・評価

3.3
この話、実はリーダー論。
ダメな子供が英雄になる成長ドラマと思えるが、裏のテーマは分断と独裁が広がる世界情勢に対して、民主的リーダーシップを唱えている。
背景のニュースで簡単に処理されているが、実は未来社会で世界は分断と独裁政権が横行している。

アーサー王の末裔と信じた少年が、王と同じ民主的方法で仲間を広げて魔女モーガナを倒す。
上下隔ての無い円卓や、身近な敵を味方にする政策に基づきイジメっ子を味方にしていく。
それらは民主的リーダーこそが真のリーダーという、独裁に対してのアンチテーゼとして作られている。

だから周辺国で独裁が進んでいるとか、子分も逃げ出すほど魔女モーガナが独裁的であるとか、学校や教育委員会が独裁的になっていて子供達の民主化を見習って大人たちも改めるといった姿を見せないとテーマが伝わらない。よくある子供の成長話と誤解される。
本当は分断が進む世界に対して民主的リーダーの復活を、古きアーサー王から学ぶという話だ。
独裁化して周囲を殲滅するのではなく、意見の対立する相手を味方にする、嫉妬で攻撃せずに他者を愛する。それらがこれからのグローバル社会で大事だよと言いたいのだろう。
制作人が本当に見せたい相手は子供ではなく、トランプや習近平なのかも知れない。
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