このレビューはネタバレを含みます
家族の物語だった。
同性愛者を自覚して、それがバレて、強制施設に入れられる話ではなく、息子を信じ親を信じる、信じることで道が照らされる家族の話だった。
女性と付き合うけど、深い仲にはなれず、かといって男性と深い仲になることにも最初はすごく戸惑ってしまう、ゆっくりと自覚していくところが丁寧に描かれていて、とても良い。
(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のルーカス・ヘッジスくん!いつもいい演技してくれますっ!)
施設に入れられた子たちも丁寧に描かれてる。
嘘をついて役を演じるしたたかな子もいれば、施設の教えにすっかり洗脳されて人に触らないという罰を自らに科すものもいる。親が助けてくれる子もいれば、家族ぐるみで罰を下される子もいる。
主人公はとても賢明だったと思う。
施設のことを注意深く観察し、自責の念だけにとらわれず、まわりに目を向けることができる人。
スペルミス満載の教材には笑った。
神は一番間違っちゃだめでしょう。
母親がニコール・キッドマンが演じている意味がよくわかった。
父親も息子も同じように愛している。だからこそ、父親には従いたいし、息子のことも守りたい。愛情深く強く賢い母親だった。
父親はラッセル・クロウ。息子への愛情はあるのに、神父という立場上、同性愛に対して厳しい態度をとらなくてはいけないという板挟み的感情の揺れがよくでてた。
家族の物語であるからこそ、ルーカス・ヘッジス、ニコール・キッドマン、ラッセル・クロウの演技が引き立て合っていてとてもいい映画になってると思いました。
強制施設というよりカルト宗教みたいなところだった。というより悪徳商法みたいな?キリスト信者をダシに使った元犯罪者の商売みたいな?
そんな商売を信じて、子供を預けてる親が悲しいです。
みる前とみた後で、『告白』の響きが違ってくる。