ペジオ

ホテル・エルロワイヤルのペジオのネタバレレビュー・内容・結末

ホテル・エルロワイヤル(2018年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

チェックインはひとりで チェックアウトはふたりで

群像劇は相関図を作ってみると面白い
登場人物を繋ぐ「→」のバリエーション…一つとして同じものが無い方が新鮮だし、お互いに違う感情を抱かせる事でその食い違いを観察する楽しみが増える(観客の感情移入の矛先になる特定の主人公を作らない群像劇の正しい観方だとは思う。)
この映画では基本的に、誰かにとっての誰かへの「→」が「救い」となっていくという繋がりがあった
それは人間の「ひとりでは生きられない」という「弱さ」に起因するものだろうか
ニセモノだろうが、思いが伝わらなかろうが、すがらずには生きていけない
お互いがお互いの「救い」となった「ふたり」だから、「救い合う」事によって生き残ったのは道理なのかもしれない

グランドホテル形式…と言うよりはタランティーノフォロワーがよく作っていたタイプの映画…一癖も二癖もある犯罪者たちが織り成す群像劇
相関図における登場人物間の「→」が如何にぐちゃぐちゃにもつれていくがこのタイプの映画の胆
要は「どう」もつれるのか?が大事なので、「何が」もつれるのか?…それぞれの事情という「物語」はマクガフィンなのでぶっちゃけどうでもよかったりする(もつれの意外性を高める為に奇抜な方が良いとは思うが。)
ひとつひとつは物語として弱くとも、絡まって強固な結び目となることで映画として成立できると言っても良い
そして「どうでもいい」からこそ「センス」の有無が不可欠になってくる
本作はその辺割りとベタに感じたのだが、背景に「60年代」という統一性があったからか結構面白く観てしまった(この手の作品にありがちな「閉じた話」に意外となっていないというか。)

…どうなんでしょうね?こういう話を作る時って、「登場人物のキャラクター設定」から考えるんすかね?
クセ強い登場人物を舞台に放り込んで自由に動いてもらう的な作り方なのかしら?(話の作り方としてはこれが一番楽しいらしい)
滅多なことは言えないが、多分ここから「新しい物語」が生まれてくるんじゃないかという気もするけれど
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