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暁に祈れのmiichoのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.6
前半は特に、精神的にキツすぎて1度観るのを中断してしまった...

タイが舞台となっているため、もちろん囚人や看守達もタイ語を話すのだけど、台詞が最小限で、タイ語の字幕もほぼ出ないため、周りの人達が何を喋っているのかさっぱり分からない。言葉が分からないだけでも不安だというのに、劣悪な環境の中、極悪非道な受刑者達と共に生活するとか...死んだ方がマシなんじゃないかとすら思えてくる
もっと恐ろしいのは、これがフィクションではないという事。
海外って、タトゥーをしている人が凄く多いから別に驚きはしないけど、顔面から指先まで全身タトゥーまみれのいかつい人達がここまでの数いると、さすがに怖すぎる(ちなみに出演者は元囚人達)
リンチ、殺人、レイプ...刑務所を舞台にした映画ではありがちだけど、私が今まで観た作品の中でも圧倒的に不快なシーンが多いので、苦手な人は注意した方が良いかもしれません。

後半。ムエタイ・クラブと出会ったビリーは、ありとあらゆる鬱憤をトレーニングや試合でぶつけながら、徐々に生きる希望を見出していく。薬物に溺れかけていた主人公が、ボロボロになりながらもどん底から這い上がっていく姿には、心打たれてしまいましたね。
壮絶な体験をしてきたけど、チームの仲間とふざけ合っているビリーは、そこら辺にいる若い兄ちゃんという感じで良かったな...

絶望を越えた先に何があるのか...僅かでも希望があれば良いなという気持ちで何とか最後まで観れましたが、もう一度観る気力は私にはありません😞生き地獄体験したい人は、ぜひ。
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