タイで収監されたヤク中イギリス人ボクサーの話。
この映画の特筆すべき良いところは、タイ語の翻訳はほぼ載せず英語部分のみ、鑑賞者も異国に投獄された主人公の気持ちを擬似体験できるところだ。登場人物たちが何を言ってるかわからないのだ、これは怖い。
頭まで全身刺青だらけのタイ人囚人、暴力だらけの看守、言葉は何一つわからず、衛生面もめちゃくちゃ、地獄の中の地獄の体験がそこにはある。
ただ、主人公は元ボクサーであり、極めて本人自体が肉体的に強いことが救いで、自分を守る術が辛うじてある分、割と強気に生きているが、これが仮に自分だったら初日で全てを諦めたくなるだろうという感じ。
内容というより、上記の通り、あまりに強烈な擬似体験がなんとも恐ろしい、不気味な映画。
演出面で、ひとつの傑作であると思う。