SandyHide

暁に祈れのSandyHideのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
4.0
はじまりの念仏、タイの陽気な音楽と反比例する淡々とした興奮。鈍い音を出すパンチの重みが、一つ一つ、痛くて辛い。タイ語の字幕がない部分が大半で言葉の情報が少なく、あえて訳さずに彼の気持ちを表現したのだと思うと私にはかなり効果的だった。沢山の人がいる中の、一人ぼっちのなんにも分からない孤独は、少なからず共感できる。映像と音で見せて、言葉の壁を本能で乗り越える。彼が仲間になった証(だと思う)に手彫りのタトゥーを囚人に入れてもらうシーンは、とても神秘的だった。トライバルなシーンは日本の文化と通じる物があり、静粛な気持ちになる。酷な環境で人がどう生きるか、光を見逃さなかった彼の強さに学ぶ事があった。
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