このレビューはネタバレを含みます
予告編が相当に面白そうなので、みてみた。『あゝ、荒野』のような映画かと思ったが全く違っていた。
ボクサーで麻薬中毒者のビリーは、タイで麻薬所持で逮捕され刑務所に入れられる。しかし、刑務所内で行われているムエタイに挑戦し徐々に頭角を現していく・・・。
ここまで聞くとスポ根映画のように思える。まさにそうなのだが『暁に祈れ』は違う。ギャスパー・ノエを思わせる壮絶な場面やネメシュ・ラースローの『サウルの息子』のようにカメラが終始ビリーを追い、『サウルの息子』で狙った狭い世界観を表現している。ただ、『サウルの息子』のようにスタンダードではなくシネマスコープなのがミソだ。
その為、前半が辛く、映画館から出たくなるほどだが、中盤、ビリーが逮捕前に可愛がっていた少年が面会に現れると映画は変わっていき、どこかしらの感動も与える感動的な作品へと変化していく。それでも下品な場面は多いのだが。
最初は、本当に地獄なのだが後半は、『ショーシャンクの空に』や『カッコーの巣の上で』のような希望を感じた。
そして、こんな凄まじい映画を正月映画としてぶっ込んだ配給会社、どうかしている（笑）
