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暁に祈れのシノのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.1
この共感&同情の出来なさがすごい2019。

ずっと後ろで流れてるアンビエント宗教のような不穏な音楽、
バストアップ多めのカメラワーク、
陰惨な刑務所の雰囲気に重なる派手で軽薄な街の景観、
最低限しか出ないタイ語の字幕、
全てが主人公の孤独感をいや増し不安を煽る要素として(そして観てる側にもその不安やイライラが波及するほど)優れていた。

ガラの悪い役者をよくぞここまで集めたと思ったけど、調べたらマジモンの元服役者を起用していたらしい。ほんのり「孤高の遠吠え」を思い出す。(あっちはもう少しクスッとできるけど)

実話ベースなのですごく胸糞でもすごくハッピーエンドでもない、ああそうだよなって終わり方。
主人公に何か成長や改心が見られるようなセンテンスもなく。ヤクやってたからムエタイに出会って脱ヤク中!スポ根青春!かと思ったけど全くそんな事はなかった笑
つまらなくはない、食い入るように観たけど良い映画かと言われると…。

主人公の不幸が自業自得以外の何物でもない&まず根本から環境が違いすぎて得るものは無かったけど「悪いことはしないようにしよう…」と漠然と思う。
服役囚全員血の気が多過ぎてめちゃくちゃ引く。

カメオ出演はオオッ…となりました。よかった。
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