タケオ

スモール・タウン・クライム -回り道の正義-のタケオのレビュー・感想・評価

3.4
ある事件が原因で免職となりアルコールに依存する自堕落な生活を送っていた元警官のマイクは、ある日 道端に血塗れで倒れている女性を見つける。

急いで病院に連れて行くものの彼女は息を引き取ってしまい、事件の気配を感じたマイクは燻っていた正義感に駆られるかのように単身調査に乗り出して行く•••。

手に汗握るアクション•シーンはなかなか見応えがあるものの、ストーリー自体にそれほど目新しいものはなく、大どんでん返しがあるわけでもない。

全体的に小粒感は否めないが、渋みの効いたハードボイルド調の世界観は主人公マイクの愛車"シボレー•ノヴァ"をこれでもかと魅力的に映し出す。

中にはビール缶が散乱しているし、古めかしい時代遅れな佇まいは明らかに作中でも浮いている。しかし、ボロボロになりながらもパワーに任せて突き進むその様は男のロマンに溢れており、不器用ながらも正義を燃やして戦いに挑む主人公マイクの姿とシンクロしているのだ。

シンプルながらもなかなかに難しい表現だが、「ウィンターズ•ボーン」や「スリー•ビルボード」などで知られる名バイプレイヤーのジョン•ホークスは本作でそれを成功させている。

こういう味のある魅力を醸し出せる俳優ってなかなかいない、お世話にもイケメンではないんだけどカッコいいんだよなぁ〜。
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