パパイヤ男爵

ニンジャバットマンのパパイヤ男爵のレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
4.0
演出も声優もキャラデザも作画もいい。バットマンもヴィランも正しく設定されており、バットマン作品の一つとして違和感なく鑑賞できる。

最近の流行の通り、この作品でもハーレイクインの存在感が非常に良い。ジョーカーも完全にいつも通りのジョーカーで、バットマンをお約束通りにもてあそぶ。ストーリーは東映スパイダーマンを踏まえて特撮戦隊モノ要素がかなり濃い。荒唐無稽だが、盛り上がり重視で見ていて次こう来るかとニヤケっぱなし。

良くも悪くも日本らしさ全開の作品と言える。では「悪くも」とはどんなところか。

アメコミのバットマンは基本的に仲間との協力を拒むイメージだが、今回のバットマンは積極的に仲間と「力を合わせ」ようとする。

個人の能力よりも仲間との協調で問題を乗り越える…いかにも日本の作品らしいがその辺りは海外のファンにはどう映るのだろう。

また戦隊モノへのオマージュから単純に戦いだけで解決しようとするため、「世界最高の探偵」らしさはこの作品では見られない。神風動画のアクションの魅力を見せたいということなのだろうが。頭脳を駆使するブルースは今回お休み。

同じ理由でジョーカーのみならずペンギンやポイズンアイビーも格闘戦をしてしまう。アツいんだけど、後で思い返すと本来バッツ達と対等に闘えるのはデスストロークとベインくらいなのでは、と思う。でも戦隊モノの敵は自分自身で闘うもんね。

とはいえ、この魅力的な作品をもっと見たい気持ちは揺るがない。舞台を現代のゴッサムに変えて、また別の作品作ってくれないかなぁ…。
パパイヤ男爵

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