しんご

ニンジャバットマンのしんごのレビュー・感想・評価

ニンジャバットマン(2018年製作の映画)
3.7
バットマンが戦国時代にタイムスリップするという奇想天外なプロットからして絶対に鑑賞すると決めていた作品。

戦国時代が舞台だけど細かな時代考証は丸無視して楽しむべき娯楽。動力で動く城、マシンガンを撃ちまくる海上戦などとにかく視覚的な面白さをとことん追求した世界観はさすが中島かずき脚本。「髑髏城の七人」も戦国時代が舞台でライター的にも大好物な素材だったろうなとの想いを巡らせつつ、本作でもアクの強い「バットマン」と「武将による合戦」が巧く調和した独自のケレン味溢れるストーリーを中島さんは魅せてくれた。「髑髏城~」での天魔王がジョーカーと被るなど細かな類似性にも思わずニヤり。

「バットマン」におけるヴィランが各国の城主となっているがその紹介がねぶた祭り風なのがお洒落で好きだった。トゥー・フェイスの城が「双面城」、ペンギンのが「鳥人城」など無理やり漢字を当て込んだ遊び心もナイス。その後も巻物調のストーリー説明、高畑勲監督のかぐや姫みたいな絵のタッチなど自由な映像作風が目白押し。

声優陣も超豪華でティム・バートン監督版「バットマン」(89)、「バットマン・リターンズ」(92)でバットマンを吹き替えた山寺宏一さんが登板したのは洋画ファンなら生唾モノではないだろうか。だけども、個人的にはジョーカー役の高木渉さんの演技に一番痺れた。ジャック・ブラックの吹替え、「名探偵コナン」の高木刑事や元太の声でお馴染みの方だが改めて芝居の幅が広いなと感心。既存のキャラの声を忘れさせてくれる狂ったジョーカーにピッタリで今後は実写・アニメ問わずジョーカーの声は高木さんでいいのでは?と思った程。

理屈抜きで頭空っぽにして観る作品。
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