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アンダルシアの犬のすずのレビュー・感想・評価

アンダルシアの犬(1928年製作の映画)
2.5
支離滅裂具合がまさに夢をみせられたよう。断片的で因果関係のない小話がいくつか紡がれる。自分の夢ならまだしも、他人がみた夢の話を聞かされて、その返答に困る感覚と少し似ている。極めて感覚的で極私的な作品だけど、これは素晴らしいと感嘆し共鳴する人もきっといるのだろう。製作者たちの偉大なる功績もあって、歴史のなかで多くの好意的な研究がなされ、後付け的に様々な分析と解釈が付与されながら、昨今の傑作と呼ばれる地位にまで至ったのかなと、アカデミックな知識のない自分は勝手にそう思った。これは『知』を着飾る人の為の『ファッション』だと思う。もう、講釈くらいたい。叱られたい。「コノ、ボンクラガ!」て罵られたい。できればご本人様に。夢でも笑。表現としての純度も自由度も最高レベルにあって、『良い意味』でも、『悪い意味』でも、後に脈々と続く映像含めた芸術界隈の人々に強烈なインパクトを残したことは十分に窺える。
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