かじドゥンドゥン

交渉人のかじドゥンドゥンのレビュー・感想・評価

交渉人(1998年製作の映画)
3.8
人質をとった立てこもり犯の説得などを主な任務とする「交渉人」ダニーは、或る日、相棒から、警官たちの基金から金が横領され、しかもそれには内部の身近な人間が関わっているということを密かに知らされる。しかしその相棒は、ダニーに犯人の名を明かす直前に暗殺され、しかもその殺人の罪がダニーに着せられる。

誰を信用していいのか分からないまま、ダニーは自分の上司や同僚数人を人質にとって、ビルに立て籠もり、別の管区の優秀な交渉人セイビアンを指名して、微妙な駆引きのなかで対話を進める。基金に手をつけた警察内の犯人は、人質もろともダニーを殺害して口を封じようとするだけに、ダニーは慎重に、殺人などの重い罪には手を染めず、しかし警官隊を威圧する仕方で、自分の無実を明らかにし、真犯人をあぶり出す。署内の利害関係とは無縁で、なおかつ交渉相手の嘘を見抜くプロ(裏を返せば真実を見抜くプロ)のセイビアンは、説得よりも突入でダニーを殺めて事件を解決しようとする署内の異様な空気に気付いて反発、また、ダニーが言うように彼は無実であることを確信する。

最後は、おびき寄せたあるベテラン刑事(ダニーが直属する上司)フロストが、ようやくダニーをしとめたと思い込み油断して洩らした真実を、セイビアンがひそかに無線で警察中に垂れ流し、これが一種の自白となって、フロストが逮捕される。