風来坊

ヒョンジェ〜釜山港の兄弟〜の風来坊のレビュー・感想・評価

2.5
子供時代の話は不幸な境遇でなかなか思うところもあるのですが、大人になってからの話が一見濃いようで上部だけで薄いので惹かれない。
アクションは韓国映画らしい痛みの伝わるリアルな肉弾戦が多く迫力はありますが、お話が不充分なのでそれで誤魔化しているような印象も受けてしまいます。

弟に相当の非があるのですが、弟の方も頑固な感じでどっちもどっちの印象。そもそもこれからは関わらずにお互い生きようと言ったのは弟なのになぜ戻ってきたの?
結局は色恋の不粋な感情かとこっちも自分勝手でゲンナリ…。

犯罪組織のしのぎが韓国の歴史上貴重な遺物の盗難事件なので、当然というか悪者として日本人が出て来ます。
この件は双方に主張に隔たりがありますし、日本人としては主張が韓国側に寄りすぎていると感じますね。

クライマックスは韓国バイオレンス映画お決まりの多勢に無勢な悲壮感に満ちた戦いで見応えあり。
確かに衝撃ではあるが…あの事実は奇をてらったつもりなのだろうが、全てを台無しにしてしまった気がします…。

「チング」みたいな絆を感じる映画かと思いましたが、韓国映画にしては熱いものや惹かれるものがなくて残念でした。
登場人物が自分勝手な人ばかりで魅力がなく勝手に踊ったような感じがよくなかったような印象です。

陰湿な暗さもあり終盤以外はお決まりの韓国バイオレンスの流れのような感じで、観る人が違えば面白いのかも知れませんが個人的には今一つな作品でした。

まとめ一言
「すれ違い」
風来坊

風来坊