このレビューはネタバレを含みます
奇抜なアイデアにもかかわらず、わりと最後まで崩れることなく、うまくまとめて終わらせる。
記憶を失った男の50フィート、約15メートル以内に入った生物は全て死亡する。
この15メートルは、ある現象によって記憶を失った男の殺意と、その殺意の対象であった女の距離である。
物語はこの記憶を失った二人が再会し、お互いがどのような関係だったか知らぬまま、謎を追うものとなっている。
殺人鬼だった男が未知の現象に巻き込まれたくらいで、果たしてあそこまで善人になるものか。
そもそも、二人が巻き込まれたあの現象はなんだったのか、などなど。
細かい点では疑問は残る。
奇抜な設定になると、その回収になんとか理屈をこねて説明したくなり、たいていボロが出て白けるものだが、この映画はそれらをうまく回避して、粗が見えないような展開にもっていっている。
上記のような細かい疑問にはさらっと答えて、二人の感情の変化、ラブストーリー未満ではあるが淡い雰囲気に絞っていくので、まとまりがよく見やすい。
メッセージの製作陣らしいがハードSFではないものの、良作である。