雪

千と千尋の神隠しの雪のレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.8
もう30回は観ている気がする。超名作という言葉では収まらないほどに傑作である。

しかし、この映画がすごい点は何かと聞かれれば多くの人は明確な回答がしにくいだろう。映像美やキャラの個性ももちろん素晴らしいが、最重要ポイントはそこではない。

この映画の1番すごい点は、ズバリ 千尋と視聴者がシンクロし、没入感が異常に高まる点にある。

そもそもこの話は、意味不明かつ急展開すぎる部分が多いし「なんだこれは?」の連続である。文章でストーリーを書き表すのも困難と言える。
しかし、主人公の千尋もまた、理解不能な世界に不可抗力で足を踏み入れ、終始 困惑と混乱を繰り返しているのである。
すなわち、視聴者と千尋は"同じ目線"にいる。

加えて言えば、宮崎駿作品はキャラや風景の機微から音まで、何もかもをリアルに描いている。それも相まってこの作品の「没入感」は他の作品とは比にならぬほど高くなる。

天才です
雪