牛丼狂

千と千尋の神隠しの牛丼狂のレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
3.5
何度か鑑賞しているけど6年ぶりくらいの鑑賞。
田舎へ引っ越してきた家族が、山奥にあるトンネルを潜ってみるとそこは八百万の神の世界であり、無銭飲食した両親は豚となり、子どもは両親を取り戻す、および現世に戻るべくその世界で労働を強いられる。
話の展開は論理的には無茶苦茶だけれど、有無を言わさぬ力強さで世界観へかんたんに没入する。ジブリ作品の料理に代表されるような、なんの神なのかわからない抽象度の高い造形が想像を刺激する。
前半は千に感情移入させながら応援するように、ときにヒヤヒヤしながら見るだろうが、後半になるとカオナシの暴走というアクションシーンからの一気に静かな描写へ移行し、形容しがたい神秘的な、穏やかな気持ちになっていく。
ハクという謎めいた青年と千尋の過去の話に関してはかなり強引だが、ここまで来るともはや画と音楽でのゴリ押しできるのであり、周りの観客たちは鼻をすするという不思議。
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