リーリー

千と千尋の神隠しのリーリーのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.0
今までのジブリの主人公の書き方とは違っているけど、それがこの映画にはとても合っているし、何と言っても町の風景が凄い‼️

なによりも、宮崎駿さんの、「主人公の見ている世界だけを書く!」という強いこだわりを感じる映画。

とてつもなく不思議な世界なのに、説明がなくても、というかそのおかげで、逆にしっかり世界に浸れるし、説明がないからこそ、いつまでも見た景色がそのまま心に残る。
特に電車の所が素敵。
なんの説明もなく、千尋がただ見ている世界だけで進んでいく、すごく心に残るいいシーン。
このシーン、他の人には到底出来ないシーンだと思う。だって、、あの長さ!!そして違和感のなさ。

世界観や、人物に絶対的な自信がなきゃ、というか、そこに全てを注いでいないと、こんなことは、できないんだろうな。
やっぱり宮崎駿さんって、すごい。
多分一番苦しい作りかただから、誰もやらないのだと思う。つまり世界を完璧に作り上げて、あとは人々に魂を吹き込んで、自由に動かせるということ。
でもそんなことしたらもちろんストーリーは自分の好きな方向には行ってくれないし、きれい事だけでは収まらなくなる。振り回されるし、途方にくれる。だけど、それをしなきゃ、本当のストーリーは生まれないのだと思う。

今はそんな風に作品を作っている人がいなさすぎる。それって見ている人に、絶対にばれます。
宮崎駿さんは、すごい。
リーリー

リーリー