ほーりー

千と千尋の神隠しのほーりーのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.1
好みで言えば『カリオストロ』『ラピュタ』『トトロ』『魔女宅』の方が断然好きだけど、日本映画最高興行成績を叩き出しただけあって『千と千尋の神隠し』も凄い傑作だと思う。

昔観たときは何か物足りなさを感じたラストだったけど、大人になって改めて観るとストンと腑に落ちた。

自分の息子に気づかなかった湯婆婆に対して、千尋は自分の親のことに気づき、見事彼女は湯婆婆に勝ったのである。

124分とアニメとしては長尺だけど全然長さが気にならない程、話のテンポが良い。

そして世界観も素晴らしい。千尋が電車に乗って銭婆のもとへ向かう場面。車窓から見える外景が本当に美しく心に深く残る。

巷間言われている通り、風俗産業を寓話化した本作。

今回観て、湯屋のつい立てに思いっきり"回春"(本来の意味だと若返りなのだが)の文字が書いてあったに気がついた。

確信犯やないか……ぱやおさん。

歌舞伎『籠釣瓶』というお芝居に花魁・八ツ橋にフラれた次郎佐衛門が彼女を斬り殺す場面があるが、本作での千に拒否されて暴走するカオナシはその次郎佐衛門に姿がダブる。

本作もジブリらしく自然破壊批判のメッセージが込められているが、あまり前面に押し出さずサラッと描いているのも良い。

ってか公開されたのがついこの間の印象なのだがもう二十年近いんだよね(-_-;) 時の流れの早さが怖い……。

■映画 DATA==========================
監督:宮崎駿
脚本:宮崎駿
製作:鈴木敏夫
音楽:久石譲
撮影:奥井敦
公開:2001年7月20日(日)
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